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食品トレーサビリティを実現するMatrixによる品質統合管理システムについて

1、はじめに

近年は「企業のサステナビリティ」ということがよく言われる。「企業のサステナビリティ」という時、「企業が利益を上げ、永続的に成長しながら顧客に製 品を供給し続ける可能性を持っていること」というゴーイングコンサーンの他に環境保護活動や社会的な側面(従業員への取り組み・社会貢献・企業市民としての地 域社会への取り組みなど)が挙げられる。

ここで「サステナビリティを向上させる」ということは、企業の社会的責任を果たすということと同じである。つまりサステナビリティの向上を念頭に企業活動を行うことが企業の社会的責任を果たすことであり、逆に言えば企業の社会的責任を果たすことで企業のサステナビリティが向上するという考え方が一般的になりつつある。

また、この考え方と同調するように日本版SOX法や公益通報者保護制度など企業を内部・外部から監視する仕組みも確立されてきている。

一方政府も2000年以降、食に対しての関心を高めるためISO22000の普及活動・食育の推奨・HACCP手法支援法の2008年6月までの延長などの施策を行っている。

さらに近年、食品業界においてはグローバル化が進み、海外からの食品の流入、逆に国内の食品メーカーが海外展開するケースも増えている。こうした中、商品ライフサイクルの短期化が進んだため、開発からリリースまでのリードタイムは日増しに短くなっている。

こうした状況下で、ここ数年はITを巡る環境も進化した。Webの技術が進化し、データベースやオブジェクト指向技術も強化されシステム開発ツールも進化したことは言うまでもない。

このように、2000年以降に相次いだ食品メーカーの不祥事やBSEの問題に端を発した業界における環境変化と、消費者や流通業者・小売業者を中心とした食への関心の高まりはますます激しく、強くなってきているため、食品メーカーにおいては消費者・流通・小売からの様々な情報開示要求等のプレッシャにさらされるという結果になった。

2、高まる品質保証部門の責任

こうした状況下で、食品の製造業の品質保証部門では「品質情報」の作成から説明までの全ての業務に密接に関わっている。結果食品製造業の品質保証部門では、食品の安全や安心への関心の高まりによる品質情報管理の徹底・商品のライフサイクルの短期化に伴う研究開発から製造までのリードタイムの短縮等、商品品質に関する情報をより確実によりスピーディに伝達するという課題に直面している。

 

現在、食品業界における品質保証部門は(1)経営層からはISOやHACCPの取得を要求され、(2)研究開発部門からは商品規格書の作成を要求され、(3)製造部門からは製造規格書や検査実績管理を要求され、(4)得意先からは商品規格書の提示を求められ、(5)消費者からは問い合わせやクレームへの対応を求められるという状況に陥っている。

品質保証部門における現実として、(1)商品情報が部門別に管理され(2)情報の検索に時間がかかる(2)原料規格書の情報がDB化されていない(3)調べるのに時間がかかる(4)納品先へ提出する商品仕様書の作成も管理も手間がかかりすぎる(5)商品に問題が発生すると他の仕事が全くできなくなるなどの問題を抱えている。

こうした状況下でコスト削減や品質維持・開発LT短縮に欠かせない要素として、品質情報を素早く有効活用することが重要視されている。つまり、品質情報のサポートの充実化は今後の食品メーカーにおけるKey Success Factorのひとつであるということができる。

3、品質情報のサポートを充実化するための「原料」と「配合」情報の管理

新日鉄ソリューションズのMatrixソリューションにおいては、品質情報を構成する重要な要素である原料規格・配合・商品規格情報をコアとして各種の品質に関わる情報を統合管理するオブジェクト指向型DBである。これにより“商品”の企画、研究から量産フェーズに至る、テーマ情報、商品企画、開発配合表、製造配合表、原材料、原材料規格、実験結果報告書、量産化連絡書、変更連絡書、製造実績等 各種情報等をグローバルな環境にて管理し活用できる環境をご提供できる。

このソリューションでは品質情報を統合化、様々なサポート機能を充実しているため、バリューチェーンにおいては以下のようなアウトプットが実現される。

マーケティング部門 開発部門
プロジェクト管理・生産設備の稼動状況や制約条件の把握・原価把握・販売見込み・ワークフローなどによって開発段階からの損益予測の実現・開発期間の短期化や儲かる商品開発が実現される。

品質保証部門
商品規格書のマスタ化・仕入れ先とのデータ連携・ワークフロー・版管理配合表の一括メンテナンスとアラート・生産実績の把握・クレーム情報の蓄積・FAQのシステム化などによって属人的な作業の排除・全社共通商品マスタの作成・法規制の遵守・消費者や得意先からの信頼獲得などの効果が得られる。

営業部門
提出用商品規格書の整備・得意先フォーマットの作成・ワークフロー・社内FAQの閲覧・最新版の商品規格書の入手・実際原価の把握などを行うことによって、バックヤード業務の軽減による営業活動への注力・問い合わせへの即時対応・得意先からの信頼獲得・『売上』から『利益』思考の変化などの効果が見込まれる。

生産部門
試作品の生産計画への織込み・マスタ統一による維持管理の容易化・品質情報のDB化によって、本来の生産活動への注力や品質および歩留向上が見込める。

その他
ワークフロー・FAQのWebサイト構築・商品情報の共有化・ナレッジマネジメント消費者、得意先からの信頼獲得情報開示の促進や社内コミュニケーションが向上するという効果が見込まれる。

4、ステップバイステップで確立していく製品トレーサビリティ

本ソリューションはトレーサビリティの確立・品質向上・マーケットインのスピード強化のための情報基盤作であると認識している。つまり、商品規格書DBの構築・開発配合表や生産配合表の仕組みの構築・品質DBの確立によって初めてトレーサビリティを確立するための基礎条件ができあがる。

その後HACCP・ISO22000対応のシステム化やワークフローのシステム化、さらに商品開発プロジェクト管理などのプロセスイノベーションによってトレーサビリティの仕組みを確立させる。さらにこの仕組みを社内外で有効活用して有機的にデータ連携を行うことで、バリューチェーン全体で企業グループとしてデータを有機的に利用する仕組みを構築し、企業価値の向上を実現する。

このようにステップバイステップで企業価値を高める製品トレーサビリティの仕組み作を目指すソリューションが新日鉄ソリューションズのMatrixによる品質情報DBである。

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